アメリカ留学、一緒に来る?

夫の留学についていくことになった。アメリカ生活・妊娠・出産・子育てに関してゆるりと記録してみる。1年目はLA、2年目はNY。

包丁で指を切り、救急窓口で3針縫った

「引越ししたら腰を痛めた」「引越ししたら風邪をひいた」「引越ししたら気分が落ちた」 

無理をしすぎたり新天地になじめなかったりでそんな話は聞いたことあるけど、私の場合は「引越ししたら指を切って3針縫った」でした。

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自分の身に起きたことが悲しすぎるので、近所の散歩道からの景色の写真でごまかす

 

ある晩、時差ボケで寝付けなくてぐずる息子を夫に託し、夕飯の支度を始めたところだった。NYに移ってきてから新しいキッチンで初めてちゃんと取り掛かる料理。新しく買ったまな板。新しく買った包丁。その日1日は日本食スーパーや近所のスーパーをはしごしたせいで疲れてたけど、新居と言う名の魔法によって私はやる気に満ち溢れていた。

さて人参を手に取ったときピーラーを買い忘れていたことに気づき、ナイフで剥くことにした。オーガニックスーパーの人参は自然体そのもので、形も不揃い。

愛着を持ちながらナイフを動かした矢先、サクッ!!ピュー(血)!!

新品だからこそ、そのナイフの最大カットパワーが発揮されたのだった。左手の親指の先っちょをスパッとやってしまった。とにかく一生懸命圧迫して止血を試みる。…血が止まらない。

【指 止血 血が止まらない】とかでググってみて、10分くらい圧迫し続けても血が止まらないようであれば医療機関に行くべき、とあった。

そこで、今の私の保険状況

  • 引越したばかりでかかりつけ医もいない
  • そもそもセットアップ期間中なので夫の雇用が始まっておらず保険も未加入
  • あるのはカリフォルニアのMedi-calのpartial coverageだけ
  • それも引っ越しちゃったから解約しないといけない

という事情をゆっくりと思い出し、ゾゾゾーッとする。

日曜の夜になんてことだ。とりあえず粘って30分圧迫止血。もっと耐えたかも。それでも圧迫をやめるとタラタラと滴り落ちてくる。

 

参った。NYに到着して3日目の夜にして、恐怖のemergency roomのお世話にならざるを得なくなってしまった。

 

なかなか寝付けない息子を必死にあやす夫を残し、夜9時にUberで近所の救急窓口へ向かった。私の前に3人患者さんがいるから待つように言われたけど、途中で心肺機能が急激に落ちていそうな患者さんや、負傷した警察官がバタバタとはいってきたりして、少し順番を飛ばされた。指の先っちょ以外は健康だからやむを得ない。救急窓口の向こう側は壮絶な世界で、泣きわめく赤ちゃんもいれば、「cardiac group experts全員集合」のような明らかにコードブルーのような放送が流れたりもしていた。

ようやく1時間半しないくらいでチェックインできた。血圧やSpO2を測りながら保険(Medi-cal)と身分証明を確認されたらすぐに病室へ。指先に麻酔をされ*1、サクサクサクっと(かなり雑に*2)3針縫われて終了。10日後に抜糸のためまた訪問するよう言われた。ちなみにオフピークは朝の7-8時くらいとのこと。

帰りのUberでドライバーにhow was your day?と聞かれたのでここぞとばかりに身の上話をした。そしたらインド系の彼は「僕は右手を大怪我したとき大変だったよ。インドの文化で左手は使っちゃいけないから、怪我した右手でご飯を食べたり全てやらなくてはならずとても苦労した。だから左手でよかったね。」と励ましてくれた。たしかにそんな文化があると右手の怪我は厄介だ。

 

家に帰ると、泣き疲れて寝た息子と共に、夕ご飯も食べられずげっそりした夫が暗い部屋の中で待っていた。

この時点で夜10時半。カレーは諦めて、引越し前にLAの友人が持たせてくれた素麺をにゅうめんにして食べた。まさかもらった素麺をこのタイミングで食べるとは想像もしてなかったけど、ありがたみに泣けた。

 

そんな日もありますよね。。。

 

追記】Medi-calは引越し後10日以内にcounty officeに転居の報告をする必要がある。一連のことが起きた後に電話したところ、来月1日付で我が家全員とも解約になるということだった。つまり今回のemergency room費用はカバー対象。ただし抜糸処置のための再診は緊急じゃないので自腹となる。

 

*1:無視できないほどには痛かった

*2:処置3日目に1箇所ほどけてしまって途方にくれてる…